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パスポートのローマ字はヘボン式|「ん」「っ」「おう」のルールと間違えやすい名前

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パスポートのローマ字は「ヘボン式」で書くのが原則

日本のパスポート(旅券)に記載する氏名のローマ字は、旅券法施行規則にもとづきヘボン式ローマ字で表記するのが原則です。小学校の国語で習うことが多い訓令式(し=SI、ち=TI、ふ=HU)とは綴りが異なるため、「学校で習ったとおりに書いたら窓口で直された」というケースが少なくありません。

ヘボン式が採用されているのは、英語の発音感覚に近い綴りで、海外の入国審査官などが読んだときに実際の発音に近く伝わりやすいためです。たとえば「し」を訓令式のSIと書くと英語では「スィ」に近く読まれますが、ヘボン式のSHIなら「シ」と読んでもらえます。パスポートは海外で自分の身元を証明する唯一の公文書なので、国際的に通じやすいヘボン式が基準になっています。

なお、外国式の姓を持つ場合など特別な事情があるときは、ヘボン式によらない表記(非ヘボン式)が認められることもありますが、審査が必要です。迷ったら申請前に各都道府県のパスポートセンターへ確認しましょう。

ヘボン式の基本ルール表(訓令式との違い)

間違えやすい文字を中心に、ヘボン式と訓令式の対応をまとめました。太字がパスポートで使う綴りです。

かなヘボン式(パスポート)訓令式(参考)
SHISI
CHITI
TSUTU
FUHU
じ・ぢJIZI
ず・づZUZU
しゃ・しゅ・しょSHA・SHU・SHOSYA・SYU・SYO
ちゃ・ちゅ・ちょCHA・CHU・CHOTYA・TYU・TYO
じゃ・じゅ・じょJA・JU・JOZYA・ZYU・ZYO
ん(B・M・Pの前)MN

例:藤田(ふじた)→ FUJITA(×HUZITA)/千尋(ちひろ)→ CHIHIRO(×TIHIRO)/哲也(てつや)→ TETSUYA(×TETUYA)。

撥音「ん」のルール — B・M・Pの前は「M」になる

ヘボン式で特に見落としやすいのが「ん」の扱いです。「ん」は基本的にNと書きますが、直後にB・M・Pの音が来るときだけMに変わります。唇を閉じて発音する音(バ行・マ行・パ行)の前では、「ん」も自然と「ム」に近い音になるためです。

また、「じゅんいち(純一)」のように「ん」の後に母音やヤ行が続く名前でも、パスポートではJUNICHIと続けて書き、アポストロフィ(JUN'ICHI)やハイフン(JUN-ICHI)は使いません。読み間違いが心配でも、記号を挟まないのがパスポートのルールです。

ヘボン式ローマ字変換ツールを使ってみる →

促音「っ」と長音「おう・おお」のルール

促音「っ」は次の子音を重ねる

「っ」は、直後の子音を2つ重ねて表します。ただし直後がCHの音(ちゃ・ち・ちゅ・ちょ)のときは、Cを重ねずTを置くのがヘボン式の決まりです。

長音「おう・おお」はOひとつ、「うう」はUひとつ

ヘボン式では、オ列・ウ列の長音はのばす部分を書きません。ローマ字入力の癖で「さとう=SATOU」と書いてしまうのが典型的な間違いです。

一方で、「いい」はIIとそのまま書き(飯田→IIDA)、「えい」もEIと書きます(英太→EITA)。省略するのはオ列・ウ列の長音だけ、と覚えておきましょう。

OH表記は「選択制」

氏名に「おう」「おお」の長音を含む場合に限り、Oの代わりにOHと表記することを申請時に選べます(大野→ONOまたはOHNO、佐藤→SATOまたはSATOH)。どちらも正しいヘボン式の範囲内ですが、一度選んだ表記はその後の更新でも引き継がれ、原則変更できません。

間違えやすい名前の実例10選

実際の申請でつまずきやすい名前を、正しい表記・よくある間違いとセットでまとめました。

名前(読み)正しいヘボン式よくある間違い
佐藤(さとう)SATO(SATOHも可)SATOU
大野(おおの)ONO(OHNOも可)OONO
河野(こうの)KONO(KOHNOも可)KOUNO
洋子(ようこ)YOKOYOUKO
優子(ゆうこ)YUKOYUUKO
飯田(いいだ)IIDAIDA
難波(なんば)NAMBANANBA
本間(ほんま)HOMMAHONMA
吉川(きっかわ)KIKKAWAKIKAWA
純一(じゅんいち)JUNICHIJYUNICHI・JUN-ICHI

注意したいのは、一度パスポートに記載したローマ字表記は、原則としてその後変更できないことです。パスポートの氏名表記は海外での本人確認の基準になるため、更新のたびに綴りが変わると別人と扱われるおそれがあるからです。OH表記にするかどうかも含めて、最初の申請時に慎重に決めましょう。また、同じ戸籍の家族(夫婦・親子)は、姓のローマ字表記を揃える必要があります。

自分の名前がヘボン式でどう綴られるか不安なときは、変換ツールに読みがなを入力すれば「ん」「っ」「長音」のルールを反映した表記をすぐ確認できます。

ヘボン式ローマ字変換ツールを使ってみる →

よくある質問

Q. 申請書に訓令式(SI・TIなど)で書いてしまったらどうなりますか?
A. パスポートの氏名は原則ヘボン式と定められているため、訓令式の綴りのままでは受理されず、窓口で確認・訂正を求められるのが一般的です。学校で習うローマ字とパスポートのローマ字は別物と考え、申請前にヘボン式の綴りを確認しておくとスムーズです。なお、外国式の姓など特別な事情がある場合の非ヘボン式表記は、申請先での個別の審査になります。
Q. OH表記(OHNO・SATOHなど)にするメリット・デメリットは?
A. メリットは、英語圏で「オー」と長くのばして読んでもらいやすいことです。たとえば大野さんをONOと書くと「オノ」さんと区別がつきませんが、OHNOなら長音であることが伝わりやすくなります。デメリットは、一度選ぶと原則変更できないこと、そして航空券やクレジットカードなど他の名義もすべてOH表記に揃える手間が生じることです。すでにO表記で各種名義を作っている人が途中からOHに切り替えると、表記の不一致が起きやすいので注意しましょう。
Q. クレジットカードの名義とパスポートの綴りは揃えるべきですか?
A. 揃えておくのが安心です。特に航空券は、パスポートの氏名表記と1文字でも異なると搭乗できないことがあるため、予約時は必ずパスポートの綴りどおりに入力します。クレジットカードも、海外のホテルやレンタカーでパスポートと照合される場面があるので、カード作成・更新の際にパスポートと同じ綴り(OH表記を選んだ人はOHで統一)にしておくとトラブルを避けられます。
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